7月 08, 2014

保険医やめたら??

ある患者さんが来院しました。歯科が原因で精神的に参っていると訴えます。診察しますと、確かに尋常じゃない口腔内ですが、今まで何があったのですか?と聞いてしまいました。「今まで大変だったでしょう」と入り込んでしまいました。目の前で困っているんですから医師として当たり前ですし義務ですから。

すごく遠くの、ワシが書いた「行列の出来るなんたら・・・」にも登場する医院の息がかかった医院での出来事でした。
「ウチはこういう状況(あなたの口腔内)では診療しません。他に行ってください。」
と診療を拒否されたそうな。
「ウチは予防歯科でやっているので他に行ってください。」
と付け加えられたそうな。
残念ながら、最近時々聞く話ではあります。

保険医の療養担当規則第12条に明らかに違反するこの行為は何だろう?と考察するに、この背後にもアメリカンビジネスの片棒を担ぐ歯科コンサルの陰が見え隠れします。

本文と写真は関係ありません<(_ _)>
自院の付加価値をどこに求めようがそれは各の医院の勝手であり好きにすれば良い。予防中心の医院は補綴や咬合が目に見えて脆弱とか一時期言われていて、そういう評価は致し方ないでしょうし、そんなもの覚悟の上と当人が思う以上それまでの話。


予防を含めた疾病治療再建治療すべての面において素晴らしい臨床結果を残している医院も星の数ほどあるわけで、患者さんはそういう医院を望んでいることも事実。



しかし正直言って、これらの「わくわくどきどきハイタッチ系」(千葉のS先生ネーミング(笑))歯科医院受診経験のある患者さんの口腔内を幾度となく見てきた感想は、、、
「何だ、、ろう、、これは????」
とクエスチョンマークの連続であると、同意する先生方も多いのではなかろうか。スタッフのテンションは高いがそれ以外の本筋の歯科医療としての現実が低くてかなわない、、と患者さん談であります(笑)。

いや、自分の行(おこな)っていることを正当化しようとかそういうことではないわけで、そりゃワシの医院も含め、どんなに一生懸命取り組んでもなかなかコンセンサスが得られず頓挫する場合や他院に迷惑をかけるケースもあるわけで、それはそれでお互い様なわけである。

しかし重要なのは、いかに目の前の疾病と取り組んだか目の前の人を理解しようとしたかその人の社会背景を聞き入れたかという総合的なGPとしての診断で、決して自院のコンセプトが優先するものではないはずでしょ。

ところが昨今のコンサルの暗躍や、今までうだつの上がらなかった自分自身の思いのよりどころとして、コンサル信者になった途端、ビジネスコンセプトがあたかも歯科医療の最重要項目とばかりに、常軌を逸脱したこういう行為は如何なものか。

現症の正確な診断をもとに、自分で出来るか出来ないかの相談や、他院への紹介も含めた本当の歯科医療のシステムが全く無視された暴挙に腹が立つのでR。路頭に迷う患者はこういう所から最近量産されているのではないか。
そういえば、、歯が痛いと泣き叫ぶ子供はウチのコンセプトから外れるので、他に行っていただきたいと言われた子供が来たよ、、、と、半ば怒り気味に昔からの友人が言っていたのを思い出しました。

世の9割以上の歯科の先生方は、皆こうして療担規則を守って頑張っているのだと、患者さんには分かってほしいし、ビジネスコンセプトが最重要優先順位の医院もそれなりの結果は出してはいるのだと思いますが、だったら、、そゆとこは、一言傲慢かまして良いですか?(笑)

「保険医やめたら??」

これですべて解決するじゃぁないですか(笑)。




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