火曜日, 7月 18, 2017

トリートメントコーディネーターの闇?かな?

トリートメントコーディネーターの闇を垣間見た。本来この仕事は、再建治療を是とする歯科医師が行うべき物で、アシスタントや衛生士が行う物では無い。なぜなら、治療ゴールをドクターが決める疾病治療と大きく違うのは再建治療のゴールは患者本位になると言う特徴があるからだ。これ自体は非常に重要で、その再建治療に隠れている様々なエビデンスは、理工学的知識はもとより機能学的なあるいは生物学的な膨大な量のエビデンスを必要とし、「こういうもっとキレイなクラウンが有りますよ?いかがですか?超お勧めです!支払いの相談も受けますのでご安心ください」なんていうジュエリーショップの話では無いのだが、それに気がつかない歯科医師も大勢居るからこんな仕事が生まれる。あげくに欠損部位に対して「インプラントが最上だと思いますよ、詳しいことは院長と相談しましょう」なんて、街のアンケート勧誘から個室に連れ込まれ偉い人が出てきて契約をするたぐいと何もかわらん。
以下実話です。

A子さんはB歯科医院のアシスタントをしていたのだが、その優秀さを買った院長に勧められ、とあるセミナーを何度か受講しトリートメントコーディネーター(以下TC)の私的資格に合格した。単なるアシスタントでは無く、さらに重要なポジションの自分に希望がもて仕事が数倍楽しくなった。患者さんの必要に応じ院長からの指示で様々な補綴関連の再建治療の説明はもとより、時に疾病治療の選択まで任されるまでになった。
彼女にはこの医院の大きな柱として働いている意義が生まれたし、何よりこの医院を支えているかもしれないという大きな責任も、彼女の仕事をより充実させていた。あるときは非常に大きな自費ケースを契約まで持って行き、周囲の同僚達には「すごいじゃん!」という賞賛を受け、当然当初の約束だった歩合給も思った以上に上がった。
しかしである。全てが全てうまくいくはずも無く、特に最近は院長から「もっとうまく説明できないのか?」と叱咤される場面が続き、もう一人いる後出のTC同僚の成績とも同じようなレベルになるに従い競争を余儀なくされてきた。患者の奪い合いが始まり、想像以上にぎすぎすした環境に院長は「チーム力を高めよう」という新たなセミナー参加を提案してきた。
しかし彼女の心はすでに折れており、もうこの仕事に対する希望や将来に対する思いは無くなっていた。チーム力を高めるにも影では「あそこであの契約を取れなかったのはA子の所為なんだよ」と言われ、しかも「私なら契約まで大丈夫なのに」と同僚から言われる始末だ。A子は本来このアシスタントと言う仕事がTCの資格を取る以前から大好きだった。患者さんとのやり取りや、患者に寄り添った思いを伝える素敵な仕事だと思っていた。しかし今は、二度と歯科の仕事をしようとは思わないだろうと密かに考えていた。その後院長に惜しまれながらも彼女は静かに辞表を提出していた。この仕事は最低です、、と心でつぶやいた。

利益が出なければ医院が成り立たないのは周知ではあるが、その責任の多くの部分を担っているのだと彼女に勘違いさせた院長の責任は大きい。患者不在のやり取りが目に見えてあからさまになるに従い、本来歯科医療に従事することを誇りに思っていた彼女の心はすでにもうそこには無い。たかが一人のアシスタントだし、また代わりが来ればそれでいいだろうと院長が思うのなら、この医院は将来への展望も歯科医療への重要な思いも無いまま、どこに向かっていくのか。
イヤイヤ、これは希有な例でしょ。うちはこんなにもうまくいっているのだからこれはこれでいいのだよ、、やり方に問題があったんだよ、、と言う声も聞こえるが、歯科医療全体の未来を考えるに、ワシは真っ向からこのシステムには異議を唱える。全ての責任は院長にあるのだからね。経営者に成り下がった?(もちろん異論あるでしょ)院長に何の魅力を感じて患者さんが集まるのか??医院の魅力??組織の魅力??

結局は人と人との緊密なつながりに歯科としてのプロの流儀にお金が発生しているだけなんだから。と、TCの闇を垣間見た話でした。何かいやな思いがまとわりついて、医療とはやはり米国のようなビジネスなのか?と残念になる話なのでした。

違うでしょ。




土曜日, 7月 15, 2017

愚かだ。実に愚かだ。。

医院の成長規模に見合った組織力を手に入れたい!とお考えの院長先生へ、、、
という、立派な箱入りのダイジェスト本が送られてきた。ただでね。

中身を読んでいるうちに、気持ちが悪くなってきた。株式会社エイ・アイ・シーの坂本と言うらしいが、デンタルエステが医院を変える!とか日本最大の審美歯科チェーンホワイトエッセンスが明かすスタッフを主役にする院長としてのあり方、、とか、ま、耳障りの良い?(笑)文言が並んでいる。

特にいやらしかったのは、2000年以降の医院差別化の流れを歯科の明治維新とか言ってる(笑)。その戦術として今や一般化してしまったのでもはや差別化では無いとおもうが、、

1,自費はセラミッククラウンからインプラントへ
2,予算をかけたHPとWEB広告から来る自費患者の囲い込み
3,自費カウンセリングを行うトリートメントコーディネータの育成
4,経営コンサルの活用
5,歯科医院の大型化
6,訪問歯科診療への取り組み
7,メンテナンス重視の歯科衛生士の活用
8,歯周病治療の専門性強化
9,歯列矯正の実施
10、保育士や栄養士が在籍する小児歯科
11、夜間、日曜診療
12、内装や医院パンフにお金をかける
13、ホワイトニング

これ、あちこちで馬鹿な歯科医師をだましてコンサルがまいた種でしょ(笑)。よく読んで笑ったわ。あるあるだもの。ここまで浸透させたのはある意味すごいのかもしれないね。
で、保険診療へ続く危機感が書いてあるのだが、、、これ、なんかおかしいと、気がつく賢明なる諸氏は沢山いるのでは。

一番は患者不在だわね。患者が医療コンシューマになっている前提だ。そして目的と手段がごっちゃになって、手段が目的になっているね。目的はなに?大金持ちになる事なのかな?この差別化をばらまいたコンサル達はそういうことだとはっきり言わないから、お馬鹿な歯科医師達は鵜呑みにするじゃないか。金持ちになりたいならこういうことをしなさい、、で良いのに、あらゆる詭弁でカモフラージュしてるから、いやらしい。だいたい、話も仕事もドベタな歯科医師でもこの傘下に入ると年収何億になるらしいし(爆)。

歯科医師の中には、そんなことはどうでも良いから自分の仕事に生きる価値を見つけて日々精進している人だってごまんといるわけで、その結果お金がついてきた人もいればそうじゃ無い人もいるかもしれないが、生きていく充実感は何物にも代えられないはず。
目的が違うのだから。それが素晴らしいと思うし、患者にも伝わる心だ。

で、ワシが一番嫌いなのはそれを隠してきれい事を言うやつ。
はっきりお金が沢山欲しいから頑張ってるんだ、って言えよ(笑)。
ちなみに、おまえはどうなのよ?と言われたら、この素晴らしい充実した現状を維持するために様々な勉強をしてスキルアップをはかり、結果収入を得ているって答える、そして可能ならそれを次の世代に引き継がせたい、、かな。そのためには社会学的にも患者利益を最優先にしたいから、おまえ赤か?と言われても保団連とか社会保障推進協議会とか参加するわね(笑)。意味がわからない人にはわからないと思う。。。。

ワシの大嫌いな週刊朝日だが、歯科医師自身が選ぶ歯科医院という記事(7/21号)が興味深い。これは通常の患者さん達も参考になるのでは。だって、コンサルの話とはまるで違うので(笑)。患者さんもクレバーにならないとコンサルぐるみの大きな魚の餌食になってしまうかもしれませんね。



水曜日, 7月 05, 2017

モンスター?ペイシェント?思い出したわぁ。

歯科とは、本当に不思議な科です。時に患者さんは、病名や処置方までを決めて来たりします。慢性疾患すら口腔内ではちょっとしたケガ?の感覚で、ワシの力不足でなかなか話が噛みあわない場合もたまにあったりして。で、そんな今日この頃の一日、、似たようなことふと思い出したことがありまして。。。。

ずいぶん前の話だが(笑)・・・・とある子供のお父さん。
(その昔のワシのブログから(笑))

「おい、どうして子供の虫歯治療にこんなに時間がかかるんだ!こんな小さな虫歯は削ってすぐ詰められるだろう。だいたい、治療前に口の中真っ赤にして毎回歯磨き指導する歯医者なんか見たことも聞いたこともない。よけいなおせわだ。虫歯の治療だけしていろ。現に虫歯になっている子供を相手に虫歯予防の歯磨き指導なんて、肺ガンにかかっている人に、たばこはガンになるから注意しろと言っているようなものだ。」

???? うははははは、すげ〜。新宿橋本歯科院長が断言したように、八戸は医療過疎地域だからね、染め出し経験が無かったか(笑)。
治療方針の解説や内容はお母さんに説明していたのでお父さんは聞いてないという。説明をしましょうと呼ぶと、前述のようにまくし立てるわけです。染め出しだって、毎回どぶさらい状態だからやらざるを得ないわけでしたが。。

ワシの仕事は診断と処置方法の決定です、なんて言おうものなら大変。しょうが無いので当時はこういうおバカはほうっておきました。あえてもう一度言います。あなたはおおバカです。その被害にあったあなたの子供は悲劇です。ていうか、今なら虐待ですね。だいたい普段から歯ブラシさえさせてないんですからね。

こうなってしまった原因をあれこれ考えてみましたが、どうやら原因は過去の旧態依然とした過去の歯科医の方にありそうです。歯科医が過去から現在までプロとしての仕事を全うしていない、これがすべてです。予防の概念すらない。

例えば、クレーマー理論にはびこる現代の人権など、個人の欲望と同じ次元に成り下がっていますから、この調子で話が進む場合、プロとしての威厳や信頼や包括がすべてを解決できるわけです。勿論そこには大きな責任を伴いますから腹もくくりましょう。

しかし、それに答えてきた歯科医師があまりにも少ないため、こういう事態になってしまうんです。そりゃ新宿に馬鹿にされるわね(笑)。
先程のお父さん、実は、、良く知っている歯科医がいるそうです。その先生は、簡単には分からないような虫歯まで見つけだしすぐにぱっぱっと銀の詰め物をしてくれるんだそうです。じゃあ、はじめからそこ行けば良いじゃん(笑)。

うははははは、はい、カリオロジーなど良く勉強している先生方や思慮深い歯科医師はピンと来ましたね!それホントに虫歯か??って、、、
このお父さんの間違いと勘違いが将来とんでもない結果を招くことでしょう。さて、それではどうやってこのお父さんに教えてあげればいいのでしょう。

私は、無理だなぁと思いました。だって、向こうから拒否されるし。良く知っている歯科医さん頼むよ、ここを良く読んでこの父さんと相談して下さい。で、このことで異論反論ある歯科医や患者さんの皆さん、私がどういう歯科医なのか、どういう信念や哲学を持っているか、例えばうちのwebとか隅々までご覧になり、それからメール下さいね。これ、疾病が医院コンセプトと違うとかの、低レベルの話じゃないからね。

ちなみにこの父さん、子供が数回来院してまだまだ途中だったのですが二度と来ませんでした。「虫歯になったら直せば良いだけだろ」、と言う捨て台詞でした。

ふふふ、歯科は、不思議だけど、なんて楽しいんだ(笑)。





火曜日, 7月 04, 2017

思いの伝

日々、いろいろなことに関する思いの伝(つて)をブログにしたためて20年以上が経ちますが、最近は特にその僅かな思いをフェースブックにちょこちょこ書き込んでしまうため最近また「ブログの書き込みが極端に減って寂しいですよ」とご意見を頂戴する機会が増えた。こんなしがない歯科医師の思いなどどれだけの人が気にしているんだろうと思う反面、やや、申し訳ないような気にだってなります。閲覧回数は、内容が嫌らしい時は4000件くらいになるけど(笑)、平均すると1000件弱だからそんなに多いわけじゃぁない。

ところで、この間無防備に書き込んで「誰かに刺されますよ」と吉岡先生に怒られた「言っちゃいけないこと」をもうちょっと言っちゃおう(笑)。
それはインプラントに対する著名な先生方のスタンスや、あるいは学会やスタディーグループのスタンスなんです。いろいろなインプラント関連イベントの半分以上は、何をどうしたいのか不透明な物が多すぎやしませんか?特に有名グループとか。テレビの「しくじり先生」みたいなのは余程理解出来るが、まだまだ多い品評会みたいなプレゼンはなんでしょう??

こういうトラブル時こういうことを気をつけてこうすればうまくいきましたよ、あなたには出来ますか?出来なければこうすれば出来るようになるけれど、でも、はじめから診断を見直してあきらめましょうか?、、、という親切な講演なら大いに賛同するが。こうやって骨をつくったら超キレイにできあがりました、これを俺メソッドと名付けます、、おれってすごくない?、、ってなぁに??(笑)
 で、? だから? そういう人がどしどし増えればいいわけね。って、そうなの?患者でT&Eを行えば良いの? そもそもの臨床哲学が伝わらないし。
サンディエゴでの兄ちゃんのような溜飲下がるだろう?てなインプラントのプレゼンのような物を最近はまた特に見なくなった。まあ、EAOやらAOやらICOIでエイジングインプラントロギーの進化はある意味素晴らしい流れだと思うけれど、日本じゃまだまだそこまで言い切る大先生達があまりいない。
要はものすごいテクニックを持ったインプラントロジストが星の数ほど増えれば良いのか、そして世界に羽ばたいてほしいのか、やるからにはこれぐらい出来なきゃだめだからあきらめさせようとしているのか(笑)、施術者を増やそうとしての企画なのかレギュレーションをきつくして減らそうとしての企画なのか、それとも趣味みたいな物(ここ重要)なのか、普通の補綴の延長線上にあるべきなのかそうではないのか等など等(笑)。

全国でインプラント治療を行っている歯科医院数は13%程なので、約7万件中 約1万件弱ですね。この中で非常に高い技術を駆使して行っている医院は僅か1%程だと言われていますから100件弱くらい。視点を変えて、インプラントも含めた医業収入が1億以上の医院が僅か3%と言われているので約2000件だとすると、ピケティのr>gはそれなりにまだ多分成り立ちますので、世のコンサルは勿論可能な限りインプラントを勧めるでしょう。しかし、13%が50%になれば方程式は崩れるのだが。。それは理想的?な状態?

問題は、患者利益に鑑みた時、インプラント治療を行う歯科医院がこの先どれくらいの割合で増えていくことが良いのか、あるいは補綴の選択肢の一つとしてどういう物をどう提供していくことが理想的なのか、サポートはどこの誰がどこまで出来るのか、後継者がいない場合のインプラントの管理は、、等など、この30年近くインプラントに携わってきても答えを教えてくれるグループも人も、あまり出会ったことが無いのです。ですから、あるグループの華々しい戦績は、そういうスペシャリストにみんななってくださいよ、数が少ないのだから、、、と言う意味なのか、こういうケースは私達のようなすごい人に任せるべきなんですよと言っているのか、その真意をくみ取ることが出来ないのです。

二十数年前、まだまだインプラント臨床例の少なかったワシは「こういう風に出来たら良いな、よしこうなろう!」と、いろいろな門をたたきました。しかし、学ぶうちに、あるいは出来るようになってもなお、何か違うな、何かおかしいな、と本当の歯科医療のオプションとしてのインプラントの普及に、世界中のスーパーテクを見れば見るほど疑問を持ち始めました。
結局、日本中ではおかしなブームとひどいインプラント治療の残骸があちこちに散らばり、患者の不利益が増したのです。これに警鐘を鳴らして次々といろいろなグループが出ては来たのですけれど、どこも答えを見つけられないまま今に至るのでは?

要するにこれは、すごい先生がどうだすごいだろう、という臨床哲学不在のプレゼンばかりにワシが行き当たったからかもしれません。十数年前から海外の学会に多く参加し始め、米国インプラントとそれ以外というカテゴリーも自分で見つけたつもりですが、何だかなぁ。。悩むわ。
社会性と経済性と学術性のバランスの取れた将来への話を誰かしてもらえないだろうか。そうでなければ、インプラントヒエラルキーの最上位を狙う歯科医師養成企画なんだよとか、潔い話をする方がまだマシだよな。で、ヒエラルキーが崩壊するべきだというもっととんでもなく潔い話が聞きたい(笑)。

わしって、めんどくさいか?(笑)。うん。だって、うちの施設にとんでもないインプラントが都内のどこかで入れたまま、寝たきりでほぼ意識無くて、ケアできなくて、もうどうにも困っている現状を目の当たりにしているからこその提言ですから(笑)。